ソウル新聞の取材を受けました
半導体学部長に就任予定の天野先生がソウル新聞の取材を受け、10月19日付けの紙面に掲載されました。
取材では、半導体学部の設置を構想するにあたり、韓国を含む諸外国の教育システムを参考にしたこと、半導体学部の開設後には、韓国の大学や学生とも交流を深めていきたいことなどをお話しされました。

(以下、日本語訳)
※AIによる翻訳であり、内容に誤りがある場合があります。予めご了承ください。
「米国や韓国のせいにするだけではいけない」日本初の独立した半導体学部を率いる天野英晴氏
日本南西部の九州にある公立大学、熊本県立大学が2027年4月に半導体学部を開設する。半導体を専門とする独立した学部としては日本初となる。TSMCの日本法人やソニー、東京エレクトロンなど、半導体関連企業の工場が集積する「シリコンアイランド」の中心地、熊本。既存の学問分野の垣根を越え、半導体の「AからZまでを教える」という地方公立大学の挑戦は、日本の半導体教育を変えることができるのか。
「1980年代、世界の半導体市場をリードしていたのは日本でした。しかし、技術にこだわりすぎたあまり、社会の変化を十分に捉えられませんでした。ビジネスモデルや知的財産戦略でも失敗を重ねたのです」
16日、熊本県立大学で取材に応じた天野英晴氏(68)は、日本の半導体産業が衰退した要因を、新たな教育の出発点に据えたと語った。天野氏は同大学に新設される半導体学部の初代学部長に就任する予定だ。
目指すのは、単なる技術者の育成ではない。人工知能(AI)時代に急速な変化を遂げる半導体の設計・製造から応用分野までを幅広く理解し、社会課題の解決や新たなビジネスの創出につなげられる人材を育てる。
新学部の設計にあたっては、韓国の大学も積極的に参考にしたという。天野氏は「韓国の良いところは取り入れたい」と語る一方、「『米国にやられた』『韓国にやられた』と競争相手のせいにするだけでは、日本がなぜ後れを取ったのかを十分に振り返ることはできません」と指摘した。以下は一問一答。
――日本の半導体産業の衰退から、繰り返してはならない教訓は何でしょうか。
「一度成功したやり方に固執し、時代の変化についていけなかったことです。かつて高い信頼性を誇った製品が、かえって過剰品質になってしまうこともありました。メインフレームの時代には適していましたが、その後は信頼性が多少低くても、価格の安い製品が有利になりました。水平分業への転換も遅れました。当時、東芝やNEC、富士通、日立製作所といった総合電機メーカーにとって、半導体は数ある事業の一つでした。大胆な投資が必要な時期にも、十分な投資ができなかったのです。設計と製造を分離することもできたはずですが、すべてを自社で手がけるというやり方に固執しました」
――こうした過去の失敗を、新学部の教育理念にどのように反映させたのでしょうか。
「半導体技術だけでなく、ビジネスや知的財産についても教えます。学部の段階から、社会との関わりを意識して学んでもらいたいと考えています。
環境分野を専門とする本学の学部とも連携し、水資源やエネルギーの問題も学びます。AIの応用から回路設計、製造、材料まで、半導体の全体像を理解しながら、こうした社会課題についても考える。それが熊本県立大学の半導体学部の特徴です」
新学部の教員は16人、入学定員は60人。このうち10人は熊本県内の高校からの推薦入試に割り当てる。教育課程には、AI向け半導体やその活用について学ぶ「AI・応用情報」、電子回路を中心とする「マイクロエレクトロニクス」、材料の物性や半導体デバイスの製造工程、装置を扱う「スマートマテリアル」の3つの履修モデルを設けた。
月出キャンパスに建設予定の半導体学部の新校舎は、2029年4月から使用する予定だ。
天野氏は「学生が自分の関心のある分野を深く学びながら、ほかの領域の科目も履修できる、自由で柔軟な学風をつくりたい」と話した。
――それほど幅広い分野を、学部の4年間だけで教えることは可能なのでしょうか。
「AIの登場によって可能になったと考えています。AI向け半導体について学ぶだけでなく、AIそのものを設計ツールとして活用します。
すべての学生が2年次の終わり、遅くとも3年次の半ばまでに、一定規模の集積回路を設計できるようにすることが目標です。最先端の製造プロセスを使うのは難しいですが、成熟したプロセスを活用し、簡単なAIチップやアナログチップをつくれるようにしたいと考えています。製造分野では、機能ごとの小さなチップを組み合わせる『チップレット』や、半導体チップを垂直に積み重ねて接続する『3次元実装』など、今後重要性が高まる先端パッケージング技術も教える予定です」
――既存の半導体教育課程とは異なり、独立した学部を設ける理由は何でしょうか。
「半導体は情報から回路、材料、製造まで、幅広い学問分野にまたがっています。欧米では複数の学部が連携して教育していますが、日本では卒業に必要な単位の構成などに制約があり、柔軟な運営が難しい面があります。
さまざまな学部から科目を寄せ集めるよりも、韓国のように半導体に特化した学部を設ける方がよいと判断しました。
東京大学で半導体の設計・製造にかかる時間と費用を削減するプロジェクトに携わっていた際、韓国の大学関係者を招き、意見交換したこともあります。特に韓国の嘉泉大学校と成均館大学校、デンマークのオールボー大学、ドイツのラインマイン大学と議論を重ね、その教育モデルを参考にしました」
韓国の大学の教育モデルを積極的に参考にした一方、特定企業への就職を前提とする方式とは一線を画す。天野氏は「最初から特定企業への就職を想定して設立した学部ではありません。熊本で事業を展開するさまざまな企業と、幅広く連携していきたい」と説明した。韓国の大学についても「今後、学生交流を進め、定期的に意見交換していきたい」と語った。
――半導体関連企業が集積する熊本に、今なお不足しているものは何でしょうか。
「現在の課題は、工場に偏っていることです。TSMCもソニーも熊本に工場がありますが、設計部門は関東地方にあります。首都圏の大学に近い地域に設計機能が集まり、熊本は製造を担うという構造です。
製造拠点が集積しているだけでも大きな強みですが、設計から製造までを一貫して担える地域になる必要があります。
台湾の新竹や米国のシリコンバレーのように、近隣の企業がアイデアを交換しながら、新しい製品を迅速に生み出せる環境が必要です。教育は、その基盤をつくる重要な柱です。
すでに工学部で半導体人材を育成している熊本大学とも、競争するのではなく役割を分担したいと考えています。熊本大学が比較的手薄な領域を、私たちが担うような形です」
実際、熊本の半導体産業は製造を中心に発展してきた。1967年に九州初の半導体工場が建設され、その後、製造装置メーカーやソニー、ルネサスなどが相次いで進出した。
さらに5年前にTSMCが進出を決めたことで、周辺の関連企業は240社を超えた。一方、半導体の設計機能などは横浜をはじめ、首都圏に集中している。
――製造現場で働く技術者にも、設計能力が必要なのでしょうか。
「その通りです。単純作業をする人材を育成するつもりはまったくありません。現在の半導体工場は高度に自動化されています。システムをどう制御するかを考えられる、創造性のある技術者が求められています。
製造現場で働く場合でも、半導体の全体像を理解し、設計できる能力が必要です。逆に、設計だけを知っていて製造工程を理解していなければ、問題が生じます。その隔たりを埋めたいのです」
――半導体技術は急速に進化しています。大学教育は、そのスピードにどう対応していくのでしょうか。
「新学部の設立準備に約2年かかったと言うと、非常に短かったと驚かれることが多いです。しかし、一つの学部をつくるのに何年もかかっていては、その間に技術も時代も変わってしまいます。設立準備の段階でも、さまざまな意見を取り入れ、教育計画を何度も修正しました。認可された教育内容を最初の入学生が卒業するまでの4年間維持しなければならないという考え方も、変化の速い工学分野には合わないと思っています。制度とのバランスを取りながら、新しい教育に取り組んでいくつもりです」
大学によると、通常3年ほどかかる学部新設の準備・認可手続きを約1年短縮したという。半導体産業の復活を国家戦略に掲げる日本政府の政策が進むなか、新学部の設置も異例の速さで実現した。大学は約10カ月で設置申請の準備を整え、今年3月に文部科学省に申請。8月28日に正式な認可を受けた。
――2031年には第1期生が卒業します。卒業生にどのような役割を期待していますか。
「一つの分野を深く理解しながら、ほかの領域についても知識を持つ人材になってほしいです。製造企業に就職してもよいですし、半導体を活用する企業で働いてもよい。熊本県庁や市役所に勤めたり、政治家になって半導体産業に関わる政策を主導したりする道もあるでしょう。進路を狭く考えてはいません」
■天野英晴氏の略歴
1958年、新潟県生まれ。慶應義塾大学工学部電気工学科を卒業し、同大学で博士号を取得。並列コンピューターや低消費電力・高効率チップの設計などを40年近く研究してきた、コンピューターアーキテクチャー分野の第一人者。2024年に慶應義塾大学を定年退職した後、東京大学の上席研究員として活動。東京大学では、半導体開発にかかる時間と費用を削減する「半導体の民主化」プロジェクトに主要研究メンバーとして参加した。
【写真説明】2027年4月に開設される日本初の独立した半導体学部で、初代学部長に就任する予定の天野英晴氏。16日、熊本県立大学で新学部の紹介パンフレットを手に説明した。「すべての学生が遅くとも3年次の半ばまでに、一定規模の集積回路を設計できるようにすることが目標だ。製造現場で働く場合でも、半導体の全体像を理解し、設計できる能力が必要だ」と強調した。